第56回 情報科学若手の会に参加してきた

帰宅してブログを書くまでが若手の会です

はじめに

どうも、@saza_ku です。10/7 ~ 10/9 の三連休に情報科学若手の会に参加してきたので、その感想などを書きます。今まさに2泊3日から帰宅してだーっと書いています。

情報科学若手の会とは

情報科学若手の会とは、情報科学に携わる学生、若手研究者、社会人のディスカッションと交流の会です

第56回 情報科学若手の会 参加者・発表者の受付を開始しました | 情報科学若手の会より)

イベントの内容的には、人々がそれぞれで話題を持ち寄りお互いにそれを発表し合うといった感じです。今回は 3 日間で 15 分、30 分、1 時間の発表が合わせて 13 個ありました。上の情報科学若手の会のホームページを見てもらえばわかりますが、さまざまな分野の発表がありました。

実用水準のプログラミング言語を個人規模でつくる
趣味を研究、そして仕事にするまで — なぜ低レイヤは大事なのか、そして楽しいのか
ニューラルネットワーク組み換え自動化ソフトウェアの研究開発
コンテナ技術における最新の研究動向
安全なOCaml-Rust FFIについて
大規模言語モデル(BERT)を活用したニュース推薦のPyTorchによる実装と評価
Wasmを実行するunikernelとWasmコンパイラの開発
大規模で実用的な量子計算のためのソフトウェアとアーキテクチャ
AIセキュリティはなぜセキュリティ分野なのか
GoのORMを自作してみる

言語処理系、オペレーティングシステム、機械学習、コンテナ、Wasm、量子コンピューティング、データベース、などなど。どれも面白そうな題目ばかりですね。
また、これも題目を見ればわかるんですが、情報科学若手の会という名前からして研究っぽい話ばかりかと思いきや、実はエンジニアリング的な話も結構多いです。ちなみに僕は未踏で取り組んでいる内容について発表してきました。発表資料 → 第56回 情報科学若手の会 Wasmを実行するunikernelとWasmコンパイラ - Speaker Deck

僕的には一言で言うなら、コンピュータ大好きな人たちが集まってそれぞれの得意分野について語り合うイベント、みたいな感じですかね。

ホームページにはインフォーマルな雰囲気とありますが、ちゃんとインフォーマルな雰囲気でした。よかった。

参加者数としては、発表者と聴講者合わせて40人弱ぐらいでした。かなりたくさんいますね。個人的には、発表者は大体こんなもんかなと思ってたんですが、聴講だけの人が思いの外多かったなという感じでした。

感想

いろんな分野の面白いセッション

やはりこれですね。各分野から人々が集まってそれぞれのディープな話題を発表し合うというイベントはあまりないような気がします。僕は例えば量子コンピュータとか全くわからなかったんですが、どういうことをやっていてどういう課題があるかみたいなのがふわっとわかった気持ちになりました。こういう、ちょっと話聞いたことある、みたいな分野を増やしておくのも良いことかもなぁと思います。

個人的には @bd_gfngfn さんの「実用水準のプログラミング言語を個人規模でつくる」というセッションが一番好きでした。内容もさることながら、スライドもトークも洗練されていて引き込まれるような発表でした。未踏での SATySFi の開発について、同じ未踏を今まさにやっている者としてヘドバンばりに頷ける話もあり、大変よかったです。

すごい人たちと直接出会い、話せた

3 日間ずっとセッションをやっているかというとそうではなく、やはり夜とかに交流タイムみたいなのがあります。そこで X(Twitter) とかを見て注目していた人々とお話しできました。
Google Summer of Code の同期だった方や、去年 Zig で自作コンテナランタイムの発表をされた方これが僕にとって情報科学若手の会を知るきっかけになった)など、もう挙げ始めるとキリがないんですが、そういう方々と直接お会いする機会は大変貴重ですね。

懇親会や休憩時間などでの雑談でもやはりディープな話や熱い議論があり、もはやセッションに並ぶメインコンテンツみたいなものになっていました。

その他

  • 僕らの発表、プロジェクトについてとても関心を持ってくださったりそれについて議論してくださったりした方々がたくさんおられ、とても嬉しかったし学びになったし、参考になった
  • 僕らの発表は 2 日目だったのだが、1 日目の発表に刺激を受け、もっと良い発表にするべくスライドを改良しようとした結果、午前 4 時までスライドを作り直すことになった
    • これにより我々の未踏のプロジェクトの売り出し方にさらに磨きがかかったと思っていて、本当に良い影響を受けた
    • 3 日目には本当にヘトヘトになっていた
  • 長時間かつ物理イベントであったため、インターネットでは公開できないようなぶっちゃけ話みたいなものを聞くことができた
  • 各社から優秀な人が集まっていたため、花一匁のごとく社員の引き抜き合戦みたいなものが発生していたらしい
  • レクリエーションゲームみたいなもので優勝し、スポンサー企業の Jane Street のノベルティをたくさんもらった
    • 水筒とかトートバッグとか、ちょうど欲しかったものをいただいた

謝辞

たくさん面白い話をしてくださった方々、また僕の話をたくさん聞いてくださった方々、そしてこの機会を提供してくださった幹事の方々、ありがとうございました。本当に楽しかったです。

おまけ

これは帰りに @yasuo_ozu さんの車に乗せてもらって行った温泉。

星野温泉トンボの湯