年末振り返りポエム 2024

今年も振り返ります。

振り返る

1月

未踏と卒論の大詰めだった。この辺の様子は未踏の振り返り記事で。

2月

未踏の成果発表を終え、ようやく未踏おつかれムードになった。

未踏の成果報告の他に、WasmEdgeのコミュニティミーティングに呼んでいただき、Mewzの話をした。

他にも卒論の発表があったりと、発表がたくさんあり大変だった。

3月

未踏の成果報告書というものを書き、未踏を正式に修了した。

大学もついに卒業。

開発としては、MewzをKubernetesで動かすためのソフトウェアcontainerd-shim-mewzの開発を続けていた。
また、未踏アドバンストの応募資料を書いたりもしていた。

4月

大学院に入学。授業とその課題や論文の執筆などでかなり忙殺され、開発する時間がなかなか取れなかった。

5月

引き続き論文や課題に追われる日々。未踏で突っ走ってきた疲れも相まって五月病を発症。
こちら、五月病の具現化のようなGitHubの草。5月どころか6月まで尾を引いている。

2024年、@saza-kuのGitHubの草

未踏アドバンストの2次審査もあったが不採択。そういうのもありつつ、勢いが失速。

6月

CNDS2024でキーノート発表をした。北海道までフェリーで行ってみたのだが、20時間ほどインターネットも繋がらない環境でゆっくりできてかなり良い体験だった。

7月

大学院のテストで限界デスマーチ。

未踏についてのインタビューを受けた。記事はインタビュー記事 | 未踏事業 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構に掲載された。

8月

やっと夏休みに入った。今年の夏休みはかなり色々なことをしていて充実していた。

SWoPP

まず、第一週はSWoPP2024で発表をした。優秀若手発表賞をいただいた。

セキュリティ・キャンプ

第二週はセキュリティ・キャンプでWebAssemblyゼミの講師をやった。セキュリティ・キャンプは2021年に参加したのだが、その時の経験からGSoCや未踏にステップアップできたという感覚があったので、講師という形で再び関わることができて嬉しかった。今年の受講生にとってもそういう経験になったらいいなと思いながら、恩返しできるように取り組んだつもり。

結果としては、受講生たちの技術レベルが非常に高く、本人たちが自走していくところに並走する形で、なんとかサポートできたかなという感じ。自分が受講していた頃にお世話になった講師の方々のように、視座の高いところから引っ張り上げるような指導はできなかったが、受講生たちが自主性を持って楽しく取り組んでくれたみたいで、それが何よりだった。

インターン@PFN

第三週、第四週はPFNでインターンをした。詳しい内容はKubernetes scheduler simulatorのリソース同期機能の開発 - Preferred Networks Research & Developmentに。

インターンでOSSに機能追加してマージまで持っていくという貴重な体験をさせてもらった。メンターの@utam0kさんと、kube-scheduler-simulatorのメンテナである@sanpo_shihoさんにお世話になった。

実はこのインターンの後にアルバイトという形で継続してkube-scheduler-simulatorの開発を続けている。

9月

インターン@LINEヤフー

9月はLINEヤフーでインターンをした。詳しい内容はLBaaSにおけるQUIC-LBの実装と検証(インターンレポート)に。

XDPで書かれたL4ロードバランサのQUIC対応に取り組んだ。実際に現実で動いているクラウドを支えるシステムソフトウェアに触れることができて、とても貴重な体験だった。

10月

インターンが10月の半ばまで続いていた。インターンが終わると11月のアメリカ出張に向けて準備をするなどしていた。

11月

HotInfra

HotInfra2024で発表をしてきた。これはSOSP併設のワークショップで、ついでにSOSPも見てきた。

初めてアメリカに来たわけだが、街にいても室内にいても匂いが自分に合わず、時差ボケも相まってずっと体調が悪かった。さらに道を歩いているときにホームレスに追いかけられ疲弊。自分はアメリカではきっと暮らすことはできないだろうと思った。

ISUCON

今年もISUCONに参加。昨年は13位とかなり良い結果だったが、今年は惨敗でランク外。来年またチャレンジするぞ。

ICTSC

ICTSCに初参加しており、2次予選があった。かなり苦戦したがギリギリで本選に進出できた。本選は来年の3月。

12月

この辺で諸々が落ち着き、今年初めてようやく締切などに追われていない時間ができたかもしれない。友だちから依頼されたWebアプリ開発をやったり、次の研究テーマについて考えたりしていた。また、久しぶりにMewzのコードを触ることができ、Zigを最新のバージョンに上げるなどしていた。

今年の目標

去年のブログによると、

目の前のことにひたすら向き合い続けるだけで十分だと思います

と書いていて、まさにそういう一年になったなという感想なのだが、具体的な目標がないため自分が何を頑張るべきなのかを見失っていた一年だったように思う。これを頑張るぞみたいなことを言葉にしておくことで、自分の向かいたい方向がはっきりして推進力が生まれるみたいなところがあるなということを感じた。

ちょっと話とズレているけど、この間響いた@megumish_unsafeさんの投稿。

来年の目標

まだどんな一年にしたいかはっきりしたイメージはできていないが、頑張りたいと思っていることを思いつく限り書いておく。

  • 未踏アドバンストに出す
  • KubeCon Japanに出す
  • Mewzの開発を継続する
  • ハイパーバイザを自作する
  • RDBMSを自作する
  • Rustを普段使いできるぐらいになる

とりあえずこれぐらいで。来年は学生最後の年なので、時間があればやっておきたいことみたいなことをなるべくやり残さないようにしたい。

振り返ってみて

今年は自分が本当にやりたいことみたいなものが分からなくなってきて、それによって迷いながら色んなことを進めてきて、それがしんどい一年だった。だがそれ故に自分がこれからどういうことをやっていきたいのかを考える良い機会になったと思う。

未踏、研究、インターンなどやりながら感じたことは、自分がやりたいことは研究ではなくソフトウェア開発だということだった。研究における最終的な目的はあくまで論文を書くことであり、それに至るまでの実装や実験などは過程でしかない。自分のやりたいことは論文を書くことではなく、ソフトウェアを実装しそれを現実の世界で動かすことで価値を世の中に生み出すことだということを改めて感じた。このことを頭に入れながら来年は諸々をやっていきたい。